医療保険に加入していると、病気やけがなどをした時に保険給付がもらえて負担が軽減されます。
医療保険の中には国民健康保険があり、その保険料は「保険料」と呼ばれる場合と「保険税」と呼ばれる場合があるようです。
支払う金額に違いはあるのでしょうか、何か違いはあるのでしょうか?
国民健康保険には保険料と保険税がある、納める金額に差があるのか、何か違いはあるのかについて紹介します。
Contents
国民健康保険には保険料と保険税がある
国民健康保険は市区町村によって運営されています。
国民健康保険法には「国民健康保険に要する費用を世帯主から徴収しなければならない」と規程されています。
その徴収方式は国民健康保険料でも国民健康保険税でもどちらでもいいとされています。
保険者である市区町村の裁量にゆだねられています。
なので、保険料で徴収されているところがあったり、保険税で徴収されているところがあったりします。
実際には保険税を採用している市区町村の方が多いようです。
それぞれの関連する法令は、保険料の場合は国税徴収法で保険税の場合は地方税法になります。
納める金額に差があるの
保険料と保険税で納める金額に差はありません。
各市区町村で納める金額に差があるのは、所得割や資産割、均等割、平等割の料率や金額に差があるためであり、保険料と保険税の名称が違うことで生じたものではありません。
もちろん受けられる医療にも差がないですし、普通に保険料を納めて医療を受ける場合には何も違いがありません。
何か違いはあるのか
普通に保険料を納めて医療を受ける場合に何も違いがないとすれば、保険税を採用する市区町村が多いことの理由が見当たらないですね。
どうしてでしょうか?
それにはいくつかの理由があるのです。
1)保険税の方が時効(消滅時効)が長い
国民健康保険料と国民健康保険税では関連する法律が異なるので、徴収権の時効に差があります。
国民健康保険料・・・2年
国民健康保険税・・・5年
消滅時効が長いと徴収権が長い間存在するため徴収する側には有利になります。
2)保険税の方が、被保険者が経済的に困窮して差し押え状態になったときに、弁済にあたり、より優先順位が高い。
国民健康保険料の優先順位・・・住民税の次
国民健康保険税の優先順位・・・住民税と同レベル
保険税の方がより早く回収することができるのです、まあ、まれなケースだと思いますが、もしもの時の安心と言えるでしょう。
3)保険税は遡って請求できる期間が長い
国民健康保険の保険料(税)は、加入の届け出をした日からではなく、資格を取得した日から課税されます。
この届け出が遅れると遡って課税されることになります。
このときに、過去の滞納分に対して請求できる上限年数が以下のようになります。
国民健康保険料の遡及賦課・・・最大2年
国民健康保険税の遡及賦課・・・最大3年
つまり、保険税方式の方が国民健康保険の運営者(市区町村)にとって有利になりますから、保険税を選択することが多いのです。
加入者側では、ちゃんと保険料を納めていれば問題がないのです、滞納したときに違いが出てくる可能性があるということです。
まとめ
国民健康保険には保険料と保険税があり、保険者である市区町村の裁量で選択ができます。
実際の採用が保険税の方が多いのには訳があり。
保険税の方が徴収権の消滅時効が長く、そして差押えの際の優先順位が上にあるし、また、届け出が遅れたときに遡って請求できる期間が長いことがあげられます。
保険者にとって、いざというときに有利な方を選択しているということなんです。