台風の季節になると、よく喘息が悪化しやすいお子さんがいます。
そんなお子さんも大きくなるにつれて喘息にならなくなることもあるようですが。
母親にしてみれば、大事なお子さんが心配で、何か対策をすれば悪化しないのか、もし悪化した時は喘息の薬をそのまま使っていいのかなどいろいろ考えますよね。
台風で子供の喘息が悪化しやすいのはなぜで、その対策はどうすればいいのか、また発作を起こしたときに薬をどうするのかを紹介します。
Contents
台風で子供の喘息が悪化しやすいのはなぜ
台風のシーズンになると子供の喘息が悪化することが多いですね。
これには根拠があります。
台風が近づくと、周囲の気圧が下がることになり、気道が狭まり喘息の症状が出やすくなるそうです。
もともと喘息の人は、気道に炎症が常に起こっていて、健康な状態よりも狭くなっているのです。小さな子供の気道は狭くて大人より喘息の発作が出やすくなっています、気を付けてあげましょう。
低気圧では空気中の酸素濃度が下がるため呼吸により十分な酸素を取り込めなくなり息苦しくなるのも一つの要因としてあるのかもしれません。
その上、季節的に6~7月に増えたダニなどが9月には大量に死ぬことでアレルゲンが増えていることも喘息を助長することになります。
台風のときの子供の喘息悪化の対策は
台風が近づく前にどうするかですが。
できることとしては、なによりも、風邪を引かないようにとか、体を冷やさないとかでお子さんの体調を整えることを優先していただいた上で、
水分を充分摂る
水分を充分摂るようにしましょう、そうすれば気道の粘膜も潤って、痰が出やすくなり、喘息が起きにくくなります、こまめに少しづつ水分補給しましょう。
横になるときは上半身を起こし気味にする。
しんどいからと言ってそのまま寝るのではなくて、横になるときは上半身を起こし気味にする。
これだけでも気道を拡げることになり呼吸が楽になりまり、発作がおきにくくなります。
アレルギー物質を避ける
物理的な要因としてダニやハウスダスト、ペットの毛、化学物質、花粉、ゴキブリなどのアレルギー物質を遠ざけることも必要ですね。
部屋のおそうじ、衣服の洗濯等をきっちりしておきましょう。
タバコの煙を避ける
周りの方にタバコを吸われる方がいらっしゃったら、近くで吸わないようにしてもらいましょう。
タバコの煙もその刺激が発作を助長するので避けましょう。
台風で子供が喘息を起こしたときの薬は
台風が近づいた時に、子供さんが喘息を起こしてしまいました。
さて、普通に喘息の薬を使っていいのかと悩まれている場合もあるでしょうが。
同じように使うようにしましょう。
喘息の薬物治療には主に2つの種類に分けられます。
1)炎症を抑える薬:ステロイド薬、抗アレルギー薬、など
2)気道を拡げる薬:β2刺激薬、テオフィリン製剤、抗コリン薬
そして、それぞれの組み合わせとかで長期管理薬(発作を予防する薬:コントローラー)と発作治療薬(発作を和らげる薬:リリーバー)の2種に分けられています。
いろんな組み合わせがありますが。
ステロイド薬とβ2刺激薬を混合したものを長期管理薬として使ったり、β2刺激薬だけ入ったものを発作治療薬で使ったりします。
喘息治療には吸入薬が良く使われますが、それは局所に限定的に使うことで副作用が起こりにくくなることを狙っています。内服薬や注射薬だと全身に一定濃度まわることになるのでより副作用に気を付けなければなりません。発作治療として一時的に使うのならそれでもいいのですが。薬物によっては長期管理薬で使うのを控えた方が良い場合があります。(ステロイド薬などは特に注意します)
吸入薬の使用で、注意点が1つあります。吸入後にすぐ口の中をうがいしてきれいにするようにしてくださいね。局所の気道に薬が入ればいいので、口の中に薬が残っていると経口で摂取することになり、副作用を助長するかもしれないからですね。
また、貼付薬(はり薬)で使う場合も比較的副作用が出にくいのでおすすめですね。
β2刺激薬の中でツロブテロールという成分が入っている貼付薬が良く使われています。
薬には個人差がどうしてもあるので、医師や薬剤師に相談してより有効で安全なものを選ぶようにできればいいですね。
まとめ
台風が近づくと喘息の悪化を心配されているお母さん、お子さんのために何をするべきかわかっていただけましたか、周りの環境とお子さんの体調を整え、もしもの時は、医師の指導の下で適切な薬物治療ができるような状態にしておきましょう。それでもひどくなるようでしたら迷わず医療機関に助けを求めましょう。