お正月の風物詩とも言える「お年玉」。毎年、親戚の子どもたちに渡す機会がある方も多いですよね。でも、意外と悩んでしまうのが「お年玉袋の名前の書き方」。表に書くの?裏に書くの?毛筆がいい?ボールペンでも大丈夫?…そんな小さな疑問をそのままにしていませんか?この記事では、初めてお年玉を用意する方でも安心してマナーを守れるように、わかりやすく丁寧に名前の書き方や注意点をご紹介します。大切なのは「気持ちを込めること」。形式にとらわれすぎず、でも最低限のマナーを知っておけば、きっと心のこもった素敵なお年玉になりますよ。
お年玉袋の基本とマナー
お年玉袋・ポチ袋の歴史と意味
お年玉袋の原型とも言われる「ポチ袋」は、江戸時代から続く日本の伝統文化です。「ポチ」とは関西弁で「少し」という意味があり、元々は「心ばかりの気持ち」として使われていたもの。現在では、お正月にお金を入れて渡す袋として定着していますが、その背景には感謝の気持ちやお祝いの心を形にする日本人らしい文化が根付いています。
お年玉を渡す際に守るべき一般マナー
お年玉を渡すときには、袋の向きや言葉遣いなどのマナーがあります。まず、お札は新札を使い、人物の顔が上を向くように入れるのが基本です。そして渡す時は、必ず両手で丁寧に。言葉も「つまらないものですが」より「新年おめでとう。これ、どうぞ」のように、明るく丁寧な言い回しを選びましょう。
名前の書き方が大切にされる理由
お年玉袋に名前を書く理由は、「誰が誰に渡したか」が明確になるためです。とくに親戚が多い場では、あとで混乱しないように名前をきちんと書いておくことが大切です。また、名前を書くことで、形式的なやり取りではなく、心を込めて渡していることが伝わります。マナーとしても、相手への敬意を示す一つの方法です。
お年玉袋の名前の書き方 – 基本ルール
宛名の位置(表・裏)の決まり
お年玉袋に名前を書く際、まず迷ってしまうのが「表と裏、どちらに書くの?」という点ですよね。基本的には宛名(受け取る側の名前)は表面に書きます。そして、贈り主の名前(渡す側)は裏面の左下に小さめに書くのが丁寧とされています。とはいえ、最近ではデザイン性の高いポチ袋も多いため、デザインを邪魔しないように空いているスペースに書くという柔軟な対応もOKです。
特に子ども向けのキャラクター袋などは表にスペースがないこともあるので、そうした場合は裏面にまとめて書くというのも良いですね。ポイントは、「誰が誰に渡したのか」がわかるようにしておくこと。それが大切なマナーです。
子どもに渡す場合の正しい書き方
子どもにお年玉を渡すときは、できるだけひらがなでわかりやすく書いてあげましょう。たとえば「ゆうたくんへ」「さくらちゃんへ」など、親しみを込めた書き方が好まれます。表面に子どもの名前を書き、裏面に自分の名前を小さめに記入します。
また、兄弟がいる場合は名前を書き分けておくと、取り違いを防ぐことができます。名前の書き間違いには注意し、丁寧な字で書くようにしましょう。もし筆に自信がない場合は、サインペンや筆ペンでもOKです。心を込めて書くことが一番大切ですよ。
大人・親戚・上司に渡す場合の書き方の違い
大人同士や目上の方に渡すお年玉は、子ども向けと少し書き方が異なります。たとえばお世話になった親戚の方や職場の上司にお年玉やお礼を包む場合は、フルネームで丁寧に縦書きするのが基本です。
表面に「〇〇様」、裏面に自分のフルネームを小さく記入しましょう。また、封筒もシンプルで落ち着いたデザインのものを選び、書く際には筆ペンを使うとよりフォーマルな印象になります。普段使い慣れていない筆ペンでも、ゆっくり丁寧に書けば気持ちはしっかり伝わりますよ。
連名や夫婦で渡す場合の注意点
夫婦や家族で一緒に渡す場合は、「〇〇より」ではなく「〇〇・〇〇より」や「〇〇家より」と書くのが一般的です。このとき、夫婦それぞれの名前を並べるか、世帯主の名前+「家(け)」という表現にするかは自由ですが、受け取る相手との関係性を考慮して書きましょう。
また、連名で書くときは名前の順番にも気を配ります。一般的には夫→妻、または年長者から順に並べると自然です。書ききれない場合は、代表者の名前のみを記載し、「他一同」と添えるのも丁寧な表現になります。
実際の書き方見本とポイント
縦書き・横書きの使い分け
お年玉袋に名前を書くとき、「縦書き」と「横書き」のどちらが正しいのか悩む方も多いですよね。基本的には縦書きが正式なマナーとされています。特に和風のポチ袋や目上の方に渡す場合は、縦書きが丁寧な印象になります。
ただし、カジュアルなデザインの袋や子ども向けのキャラクター袋では横書きでも問題ありません。特にスペースが限られている場合や、文字が読みやすいように配慮する場合は、横書きの方が適していることもあります。
ポイントは「袋のデザインや相手との関係に合わせて使い分けること」。どちらにしても、丁寧に気持ちを込めて書くことが大切です。
毛筆・筆ペン・ボールペンの選び方
文字を書く筆記具にも迷いますよね。フォーマルな場面では毛筆や筆ペンが好まれます。特に目上の方に渡すお年玉では、筆ペンを使うことで丁寧な印象を与えられます。
一方で、子ども向けにはサインペンやボールペンでもOK。可愛らしい袋に太めのサインペンで名前を書けば、カジュアルで親しみやすい雰囲気になります。小さな子どもには読みやすさを重視して、太くハッキリとした文字が好まれます。
使う筆記具は袋のデザインや贈る相手との関係性を意識して選びましょう。無理に筆で書こうとして失敗するよりも、自信のある道具で心を込めた字を書くことが一番です。
間違えた場合の修正方法
名前を書いていてうっかり間違えてしまった…そんな時はどうすればいいのでしょうか?基本的に、書き間違えたポチ袋は新しいものに交換するのがマナーです。修正液や二重線での修正は、相手に対して失礼な印象を与えてしまう可能性があるため避けましょう。
もしポチ袋が手元に少なく、どうしても使いたい場合は、シールなどで丁寧に修正部分を隠すという方法もあります。ただし、それもカジュアルな場面に限られますので、目上の方に渡す場合にはおすすめできません。予備のポチ袋をいくつか用意しておくと安心ですよ。
裏面に書くべきこと(住所や一言メッセージ)
裏面には贈る側の名前を書くのが基本ですが、それだけではありません。とくに親戚など少し距離のある相手に渡す場合は、住所や連絡先も添えておくと、あとでお礼の連絡をする際に便利です。
また、小さな子どもに渡す場合には、「元気にすごしてね」「おべんきょうがんばってね」など、短い一言メッセージを書き添えると、とても喜ばれますよ。字が苦手でも、気持ちが伝われば大丈夫。シールやスタンプで彩りを加えるのも素敵な工夫です。
お年玉の金額と袋の選び方
年齢別・学年別のお年玉相場
「いくら包めばいいの?」という疑問は、毎年悩むポイントですよね。実際のお年玉の金額は地域や家庭によって差がありますが、一般的な相場を知っておくと安心です。
* 幼児(未就学児):500円〜1,000円程度
* 小学生(低学年):1,000円〜2,000円程度
* 小学生(高学年):3,000円前後
* 中学生:3,000円〜5,000円程度
* 高校生:5,000円〜10,000円程度
* 大学生以上:10,000円前後(関係性による)
あくまで目安なので、無理のない範囲で金額を決めることが大切です。また、兄弟姉妹に渡す場合は、年齢や学年によって金額のバランスを考えるようにしましょう。
金額によって適した袋サイズの選び方
お年玉袋には、さまざまなサイズがあります。包む金額に応じて袋のサイズやデザインを選ぶと、よりスマートで丁寧な印象になりますよ。
* 硬貨や1,000円札のみ→小さめのポチ袋
* 5,000円以上→少し大きめで折らずに入るタイプ
* 高額(10,000円以上)→ご祝儀袋風のしっかりした袋
高額になるほど、しっかりとしたデザインや厚みのある袋を使う方がマナーとして好まれます。子ども向けならキャラクターやカラフルな袋、大人向けなら落ち着いた和柄や無地の袋が無難です。
硬貨・新札を入れる場合の注意点
お年玉にはなるべく新札を使うのがマナーとされています。銀行で両替するのが確実ですが、年末は混雑するため、早めに用意しておきましょう。
また、未就学の小さな子どもには、誤飲防止のため硬貨は避けるのが安全です。もし硬貨を渡す場合は、小さな封筒やケースに入れておきましょう。お金は人物の顔が上にくるように入れ、折る際は三つ折りが基本です。
現金を直接手渡すより、袋に包むことで相手への敬意や心遣いが伝わるのが日本ならではの文化ですね。
用意する際のおすすめポチ袋ランキング
人気のキャラクターデザイン
最近では、お年玉袋にもさまざまなデザインが登場しています。特に子どもに人気なのが、アニメやキャラクターが描かれたポチ袋。ポケモン、ディズニー、すみっコぐらし、プリキュアなど、子どもの年齢や性別に合わせて選ぶと、とっても喜ばれます。
キャラクターのポチ袋は文房具店や大型スーパー、100円ショップなどでも手軽に購入可能。見た目のインパクトも大きいので、受け取る子どもが袋を見て喜ぶ顔が目に浮かびますよね。
「袋のデザイン選びも贈り物の一部」と考えて、ちょっとしたワクワクを添えてあげると、思い出に残るお年玉になります。
上品でフォーマルなデザイン
目上の方に渡すお年玉や、フォーマルな場面で使いたいときには、落ち着いた色味の上品なデザインがおすすめです。和紙素材に金箔や銀箔が使われたもの、シンプルで美しい和柄の袋などが人気です。
無地のポチ袋に毛筆や筆ペンで丁寧に名前を書くだけでも、しっかりとした印象を与えられます。贈る相手が大人や年配の方の場合、派手すぎず、格式を感じられるデザインが好印象ですよ。
特別感を出したい時は、のし付きのポチ袋や、封筒の中にメッセージカードを入れるのもおすすめです。
コスパの良い100均アイテム
コストを抑えつつ種類豊富に揃えたいなら、100円ショップのポチ袋はとても優秀です。ダイソー、セリア、キャンドゥなどには、キャラクター物から和風、シンプル、ユニーク系まで、幅広いラインナップがあります。
特に数人に渡す予定がある場合、まとめ買いができてコスパ抜群。最近は、100均とは思えないクオリティのデザインも増えており、贈る相手に合わせて選ぶのも楽しいですよ。
中にはメッセージ欄付きのポチ袋や、名入れシール付きの便利アイテムもあるので、使い勝手もバッチリ。手軽に準備したい方にはとてもおすすめです。
NG例と注意点
書いてはいけないこと(落書き・略称など)
子ども向けだからといって、気軽にラクガキをしてしまうのはNG。特にお年玉袋にふざけた言葉や絵文字、顔文字などを描くのはマナー違反とされています。もちろん、自分の子どもに渡す分には自由な表現も楽しめますが、親戚や他人の子どもに渡す場合は注意が必要です。
また、「あけおめ」「ことよろ」などの略語も避けるのが基本。お正月は正式な行事のひとつなので、言葉選びには配慮が必要です。書くときは「明けましておめでとうございます」など、丁寧な表現を心がけましょう。
「ちょっとした気遣いが相手に伝わる」――そんなマナーを大切にしたいですね。
相手に失礼になる書き方の例
名前の書き方一つで、印象が大きく変わります。以下のような点に気をつけると、より丁寧で好感の持てる印象になりますよ。
* 名前を省略しない(例:「たけ」などのあだ名のみ)
* 間違えたまま修正液で消さない
* 雑な字や斜めになった文字は避ける
また、渡す相手が目上の方やご年配の方の場合、名前の後に「様」をつけることで敬意を表すことができます。子ども相手でも「〇〇くん」「〇〇ちゃん」と、親しみを持った書き方にするだけで、ぐっと丁寧に見えますよ。
意外と知らない封筒の上下・向きのマナー
お年玉袋にも、実は封筒の正しい向きがあります。受け取る側から見て文字が読める向き、つまり袋の開け口が上、名前が下にくる向きが基本です。名前が正しく読めるように書くことは、相手への礼儀でもあります。
また、封をする際はシールや和紙で軽く留めるのが一般的です。のり付けは「二度と開かない=別れ」を連想させる場合もあるため、お年玉やお祝いの場では避ける方が無難です。
何気ないマナーですが、大切な日本の文化のひとつとして覚えておくと安心ですね。
地域や家庭による違い
関東と関西での文化の違い
お年玉の文化は日本全国共通ですが、実は地域ごとに細かい違いがあるんです。特に関東と関西では、金額の相場や袋の選び方、渡し方に微妙な違いが見られます。
たとえば関東では、きっちりとした金額で、比較的控えめに渡す傾向があります。一方、関西では「割り切れない数字(縁起がいい)」を意識して、5,000円などを包むことも多いようです。また、袋にメッセージを添える習慣も、地域によって浸透度が異なります。
こうした違いは、「どちらが正しい」というわけではなく、その土地や家庭の文化を尊重することが大切です。親戚同士でルールが異なる場合は、事前に確認しておくと安心ですね。
伝統的な書き方と現代風のアレンジ
最近では、ポチ袋の使い方も多様化しています。たとえば、伝統的な和紙の袋に毛筆で名前を書くスタイルもあれば、スタンプやシールでアレンジする現代風の方法も人気です。
中には、クラフト用紙を使って子どもと一緒に手作りする家庭も。伝統にこだわりすぎず、受け取る人が笑顔になるような工夫をするのも、現代ならではの楽しみ方ですよね。
ただし、年配の方やフォーマルな場面では、あまり崩しすぎないことがポイント。伝統的な書き方をベースにしつつ、相手や場面に合わせてアレンジを加えていくと、バランスの取れた贈り方になります。
お年玉袋に便利なアイテム・工夫
筆ペンやスタンプで簡単に名前を書く方法
「字に自信がない」「筆で書くのが苦手…」という方におすすめなのが、筆ペンやスタンプを使った名前の記入方法です。筆ペンはペン型で扱いやすく、毛筆風の美しい文字が手軽に書ける優れもの。最近では、筆圧が安定しない人向けの「やわらか筆」なども市販されています。
また、ひらがなや漢字の名前スタンプを使えば、ポンと押すだけでバランスの取れた名前が仕上がります。スタンプは特に幼児向けのポチ袋や、たくさん用意する場合に便利です。インクの色も黒だけでなく、赤や金など華やかな色を使えば、お正月らしい華やかさが演出できますよ。
手軽さと丁寧さを両立したい方にぴったりのアイテムです。
シールや印鑑を使ったアレンジ
ちょっとした工夫でぐっと可愛くなるのが、シールや印鑑を使ったアレンジです。お年玉袋の表や裏に名前シールやワンポイントの飾りシールを貼ることで、遊び心のある温かい印象になります。
また、自分の苗字や名前の印鑑を押すのも、簡単にできる大人らしいアレンジ方法。最近では、スタンプ感覚で押せる「お名前スタンプ」もあり、小さなお子さんの名前を書くときにも便利です。
シールやスタンプは手作り感や個性を出したいときにもおすすめ。ただし、シンプルで上品な袋に多用しすぎるとカジュアルになりすぎてしまうこともあるので、使い方には少し工夫が必要ですね。
子どもと一緒に作れる手作りポチ袋
最近では、「手作りのポチ袋」を用意する方も増えてきました。折り紙や色画用紙を使って、お子さんと一緒に作ることで、思い出に残るお年玉体験になります。
インターネットやYouTubeなどでは、簡単に折れるポチ袋の作り方がたくさん紹介されています。名前を書く部分もあらかじめスペースを作っておけば、あとからペンやシールで自由にアレンジできます。
市販の袋よりも気持ちが伝わりやすく、世界にひとつだけのポチ袋になるのが魅力。親戚の子どもに「これ手作りなんだよ」と伝えれば、きっと驚きと喜びの笑顔を見せてくれるはずです。
お年玉のトラブル回避術
金額や袋を間違えない工夫
お年玉を渡す場面では、思わぬうっかりミスが起きがち。特に複数の子どもに渡す場合や、年齢によって金額を変えている場合は要注意です。「同じ袋を使っていて、どれが誰のかわからなくなった…」なんてことも。
そんなときは、事前に袋の裏に宛名や金額メモを貼っておくと混乱を防げます。シールタイプの付箋や目立たないメモ紙を使えば、見た目もきれいなまま。渡す直前にメモをはがせば、相手にもバレずにスマートです。
また、兄弟姉妹がいる場合は同じデザインの袋を避けるのもポイント。違う柄にしておくことで、間違いを防ぐだけでなく、それぞれが「自分のもの」として嬉しく感じてくれますよ。
兄弟姉妹に渡す場合のバランス
お年玉でありがちなトラブルが、兄弟姉妹間の金額差。年齢に応じて金額を変えるのが一般的ですが、受け取る子どもたちにとっては「多い・少ない」が気になるものです。
そこで、金額差が気になる場合は、袋のサイズやデザインを工夫するとよいでしょう。たとえば、年上の子には落ち着いたデザイン、年下の子には可愛いキャラ袋などにして、違いが自然に見えるように配慮します。
また、一言メッセージを添えて「お兄ちゃんになったね」「いつもありがとう」など気持ちを込めると、金額以上の価値を感じてもらえるかもしれません。子どもたちの気持ちに寄り添った工夫が、トラブル回避のカギになります。
現金以外を渡すときの注意点(商品券・図書カードなど)
最近では、図書カードやギフト券、文房具券などをお年玉代わりに渡す家庭も増えています。現金に比べて使い道が限定されるため、親御さんにも安心されることが多いですよね。
ただし、商品券やギフトカードを渡す場合にも注意点があります。たとえば:
* 有効期限があるか確認する
* 金額が明確にわかるようにしておく
* 「図書カード」とわかるように袋にひと言添える
また、現金でないからといって、ラッピングを適当にせず、ポチ袋やメッセージカードに丁寧に入れて渡すことが大切です。贈る側の誠意が、しっかりと伝わりますよ。
お年玉袋の書き方と合わせたい季節マナー
新年の挨拶とお年玉の渡し方
お年玉を渡す際には、新年のご挨拶とともに丁寧な言葉を添えることがとても大切です。ただ黙って手渡すより、「明けましておめでとう。今年も元気で過ごしてね」など、一言添えるだけで、ぐっと心のこもったやりとりになります。
特に親戚やご近所の子どもに渡す場合、名前を呼んでから「〇〇ちゃん、どうぞ」と渡すと、相手にも伝わりやすく丁寧な印象になりますよ。大人に渡す場合は「いつもお世話になっております。今年もどうぞよろしくお願いいたします」といった、フォーマルな挨拶が喜ばれます。
もちろん、元気な子どもたちの前では、あまり堅苦しくしすぎず、笑顔で明るい雰囲気を心がけるのがベストです。お年玉は「お金を渡すこと」だけでなく、新年の挨拶と気持ちを交わす大切な文化なのです。
お正月に避けた方がよい言葉や表現
お正月は新しい年の始まり。だからこそ、縁起の悪い言葉や表現は避けるのがマナーです。たとえば「切れる」「割れる」「終わる」などの言葉は、お年玉のやり取りでは避けるようにしましょう。
また、「なくなる」「死ぬ」なども同様にNGワードとされ、メッセージを書くときにも気をつけたいポイントです。たとえば、「がんばって○○しないとダメだよ」よりも、「楽しんで○○してね」「応援してるよ」といった前向きで温かい言葉を選ぶと安心です。
メッセージカードを添える場合にも、文章の最後を「ます・です」で終わるようにし、明るく元気な言葉選びを心がけましょう。ちょっとした言葉の工夫が、相手に対する優しさや気遣いとしてしっかり伝わりますよ。
よくある質問(FAQ)
お年玉袋の名前は必ず書かなければいけないの?
結論から言うと、必ずしも名前を書く必要はありませんが、書く方が丁寧で親切です。特に複数の子どもたちに渡す場合や、親戚の集まりなどでは、誰に渡したのかが明確になるので名前を記入しておくのが安心です。
また、名前が書かれていると、子どもたちにとって「自分のために用意された特別なもの」と感じられる効果もあります。反対に、誰からもらったかわからないと、あとで親御さんが困ってしまうことも。
手間に感じるかもしれませんが、名前を書くだけで気持ちが伝わるので、ぜひ一手間をかけてみてくださいね。
裏に書くべきことは?住所や名前は必要?
裏面には贈る側の名前を小さく書くのが基本です。特に親戚など、相手との距離がある場合は、後日お礼の連絡ができるように、苗字やフルネームを書いておくのがおすすめ。
住所まで書く必要はありませんが、年賀状を兼ねたポチ袋や、遠方の親戚に郵送する場合には、簡単な住所や連絡先を書いておくと親切です。
また、「今年もよろしくね」「お勉強がんばってね」など、一言メッセージを添えると、ぐっと温かみが増します。書き方に正解はないので、気持ちを込めたひとことをぜひ添えてみてください。
お年玉袋は使い回しても大丈夫?
基本的には、お年玉袋の使い回しはおすすめしません。一度使用した袋には折り目や名前が残ってしまうため、受け取る側にも「使いまわし感」が伝わる可能性があるからです。
もしエコの観点で使い回しを考えている場合でも、きれいな状態で未記入の袋のみにしておきましょう。また、「ちょっとしたお礼」など、お年玉以外の用途で再利用するのは問題ありません。
100円ショップなどでもおしゃれで可愛いポチ袋が手軽に手に入る時代ですので、毎年新しい袋で新年を迎える気持ちで準備すると、渡す側も気持ちよくなりますよ。
シーン別お年玉の渡し方
親戚の集まりで渡すとき
お正月といえば、親戚が集まってにぎやかに過ごす機会が多いですよね。そんなときにお年玉を渡す場合は、渡すタイミングとマナーに気をつけるとスムーズです。
まず、あいさつが済んで落ち着いたタイミングで渡すのがベスト。食事中や話し込んでいるときに突然渡すと、場の空気を乱してしまうこともあるので、場の流れを見て声をかけてから渡すと良いでしょう。
子どもに渡すときは、必ず親の目の前で渡すのがマナーです。「〇〇ちゃん、今年も元気に過ごしてね」とやさしい言葉を添えながら、両手で丁寧に渡すと、自然で礼儀正しい印象になります。
また、親戚同士で「金額を揃える」習慣がある家庭もあるので、事前に相談しておくとトラブル防止になりますよ。
職場や友人に渡す場合
最近では、職場の同僚の子どもや、友人のお子さんにお年玉を渡すことも増えています。このようなカジュアルな関係の場合でも、礼儀やマナーはしっかりと意識することが大切です。
まず気をつけたいのは、渡す相手の親に必ず一言声をかけること。「突然すみません、お子さんに少しですが…」と控えめに伝えることで、押しつけがましくならず、丁寧な印象を与えられます。
袋は派手すぎず、でも可愛らしさのあるデザインが好まれます。名前を書く場合は、「〇〇ちゃんへ」などひらがなで優しく、裏には自分の名前を忘れずに。もし会話の流れで渡せないときは、封筒ごと手渡しするか、親に預けて「読んでね」と伝えても◎。
また、あまり高額すぎると気を遣わせてしまうこともあるので、1,000〜2,000円程度の範囲が無難です。
直接会えない場合の渡し方(郵送や同封マナー)
最近では、遠方の親戚や帰省できないケースも増えており、お年玉を郵送で送るという方も少なくありません。この場合は、いくつか注意点があります。
まず、現金をそのまま郵送するのは避けましょう。現金書留を利用するのが安全で確実な方法です。ポチ袋に入れて、さらにのし袋や封筒に入れて二重に包むことで、丁寧さが伝わります。
また、手書きのメッセージカードを同封すると、温かみが感じられて◎。「直接会えなくて残念ですが、元気に過ごしてね」といった気遣いの言葉を添えると、心のこもった贈り物になります。
なお、郵送するタイミングは元旦に届くように、年末のうちに投函するとベスト。遅れてしまった場合でも、「遅くなってごめんね」の一言を忘れずに。
まとめ
正しい名前の書き方で気持ちを伝えよう
お年玉袋に名前を書くことは、ただの形式ではなく、贈る相手への思いやりを表す大切なマナーです。表書きの位置、書き方、筆記具の選び方、そしてメッセージの添え方まで、少しの気遣いで「ちゃんと考えて用意してくれたんだな」と相手に伝わるもの。
子どもにとっても、丁寧に名前が書かれたお年玉袋は特別感があり、心に残る贈り物になります。どんなに小さなことでも、心を込めて用意することが、気持ちの伝わる一番の方法ですね。
名前を書くことに自信がなくても、スタンプやシール、メッセージカードなど、便利なアイテムを活用しながら、自分らしい形で気持ちを表現してみてください。
選び方・マナーを守れば安心
お年玉は、金額よりも気持ちのこもった「渡し方」や「書き方」が大切です。この記事でご紹介したように、シーンや相手に合わせて、袋のデザインや金額を工夫することで、どんな立場の方にも失礼のない、素敵なお年玉を贈ることができます。
地域や家庭によって多少の違いはあっても、基本的なマナーを知っていれば、慌てることなく安心して準備ができますよね。そして、何よりも「今年もよろしくね」「元気で過ごしてね」というやさしい気持ちを伝えることが一番大事。
ぜひこのガイドを参考に、あなたらしい心のこもったお年玉を用意してみてくださいね。
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