妊娠中の鉄分の必要量 どんな食材がいいの 摂取する際の注意点など
鉄はヘモグロビンやミオグロビンを構成していて、
肺で受け取った酸素を全身の細胞に送り届けたり、
血液中の酸素を筋肉に取り込んだりするのに役立っています。
肝臓や脾臓、骨髄にはいつも適正な量が蓄えられていて、
ヘモグロビンやミオグロビンを作るのに不足するとそこから補給されます。
妊娠すると胎児の成長とともに鉄分が必要とされるため、
通常よりも多めに摂取する必要が出てきますが。
その必要量はどれぐらいで、どんな食材を摂るのがいいのか、摂取する際の注意点などを紹介します。
Contents
妊娠中の鉄分の必要量
妊娠中というのは月経がないので、鉄分がたくさん失われることがないのを前提としてます。
15歳未満で妊娠というのはまずないとして、15~69歳の推定平均必要量と推奨量に妊娠中であることを加味した数値を加算して、妊娠初期と中期・末期の推定平均必要量と推奨量を示します。
推定平均必要量(mg) | 推奨量(mg) | |
妊娠初期 | 7.0~7.5 | 8.5~9.0 |
妊娠中期・末期 | 17.5~18.0 | 21.5~22.0 |
赤血球の寿命は約120日ですが、鉄分は体内で効率よくリサイクルされていて、排泄などにより失われる量は1日にせいぜい1mgと言われています。
これを補う量を摂取すればいいのですが、妊婦の場合はこの量に胎児の発育に必要な分が加算されます。
その加算された値をそのまま摂取量とすると、鉄は吸収率が低いため必要量に足りなくなります。
ですので、必要量が摂取できるように、表示されている数値は何倍もの値が摂取量として示されています。
どんな食材から摂ればいい
動物性食品中のヘム鉄と植物性食品中の非ヘム鉄があり。
ヘム鉄は吸収されやすく、非ヘム鉄は吸収されにくいとなっています。
前者の吸収率が10~20%、後者が2~5%となっていますが、非ヘム鉄は必要状態に左右され妊娠中は吸収率が高くなるとも言われていています。
以下に多く含まれる食材などの100g当たりと1食当たり(g)の含有量を示します。
食材 | 鉄(mg)/100g | 鉄(mg)/1食(g) |
豚レバー | 13.0 | 3.9(30) |
鶏レバー | 9.0 | 3.6(40) |
鶏ハツ | 5.1 | 3.1(60) |
牛ヒレ肉 | 2.8 | 2.2(80) |
丸干しイワシ | 4.4 | 2.2(50) |
カツオ | 1.9 | 1.5(80) |
あさり | 3.8 | 1.5(40) |
シジミ | 5.3 | 1.1(20) |
レンズ豆(乾) | 9.4 | 2.8(30) |
厚揚げ | 2.6 | 2.6(100) |
豆乳 | 1.2 | 2.2(180) |
糸引き納豆 | 3.3 | 1.7(50) |
ほうれんそう | 2.0 | 1.6(80) |
小松菜 | 2.8 | 2.2(80) |
菜の花 | 2.9 | 1.5(50) |
ひじき(乾) | 55.0 | 2.8(5) |
がんもどき | 3.6 | 3.6(100) |
おたふく豆 | 5.1 | 1.8(35) |
カシューナッツ | 4.6 | 0.7(15) |
ピスタチオ | 3.0 | 0.45(15) |
アーモンド | 2.9 | 0.43(15) |
ごま | 9.9 | 0.1(1) |
卵黄 | 6.1 | 1.1(18) |
岩のり | 48 | 4.8(10) |
パセリ | 8.0 | 0.4(5) |
鴨肉 | 4.25 | 3.4(80) |
精白米 | 0.07 | 0.1(150) |
玄米 | 0.53 | 0.8(150) |
ひじきの55mgは製造に鉄釜使っている場合の値で、最近主流のステンレス釜では6.2mgのようです。
ご飯を玄米に変えるだけでも、1日に食べる量も多いので鉄の吸収には助けになりますね。
ビタミンA(レチノール)のこともあるのであまりレバーには頼らない方がいいかもです。
ビタミンA(レチノール)の摂りすぎは良くないので。
摂取する際の注意点など
食事から鉄分を摂るぶんには、吸収率が低いことや必要以上に吸収されないようなしくみもあるので気にすることはないのですが、
サプリメントや医薬品から過剰にとり続けるときは過剰症に気を付けないといけません。
ちゃんと医師などに相談の上、使用されるようにしてください。
過剰に摂取すると便秘や胃腸障害、肝機能障害などがみられることがあります。
食物繊維、豆類に多いフィチン酸、お茶やコーヒー、赤ワインなどに含まれるタンニンは非ヘム鉄の吸収を妨げます。
できれば、摂取時間を変えましょう。
ほうれんそうに含まれるシュウ酸は鉄の吸収を妨げます、お湯でさっとゆでて調理しましょう。
ビタミンCは鉄の吸収を助けます、肉類に含まれる成分も吸収を促進するようです。非ヘム鉄と一緒に摂ると吸収が促進されます。
現在ではフッ素樹脂加工フライパンなどが多いですが、できれば鉄製の中華なべで調理される方が鉄分がよく摂れるようです。
場合によっては、100g当たり1mgのプラスになる場合もあるとか。
よく、昔、お母さんとかが釘を入れて調理していたのを見たことがあります、あれはそういうことだったのですね。
まとめ
健康な母親から健康な赤ちゃんが生まれます。
毎日の食生活を充実したものにすることで大事な鉄分を補給していきましょう。
できれば、サプリメントなどに頼らずに新鮮な食材より鉄分を補給したいですね。
私の情報があなたの参考になればうれしいです。
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