年金とは 所得金額の計算方法と 有利な受け取り方の選択について
昔はリタイアすると年金生活で悠々自適という人が多かったですが。
これからはそうでもなさそうです。
でも、よほどのことが無い限り、支給額が無くなんてことはないでしょう。
ちょっとした小遣い程度にはもらえるでしょう。
その時には少しでも有利に受け取りたいものですよね。
年金とは 所得金額の計算方法と 有利な受け取り方の選択について紹介します。
Contents
年金とは
年金とは毎年定期的・継続的に給付される金銭のことである。
その制度の運営方法により、
年金には公的年金と私的年金があります。
公的年金とは、
国民年金法や厚生年金保険法、国家公務員等共済組合法などの法律に基づく年金
恩給(一時恩給を除く)
過去の勤務により会社などから支払われる年金
確定給付企業年金契約に基づいて支給を受ける年金
適格退職年金契約に基づいて支給を受ける退職年金
などがあります。
私的年金とは
保険会社などと年金契約を結び、その結果支払われる金融商品のことをいいます。
生命保険契約や生命共済契約に基づくも年金、互助年金など
所得金額の計算方法
公的年金と私的年金で所得金額の計算方法が違います。
公的年金には大幅な控除の制度が設けられています。
1)公的年金の所得金額
公的年金の所得金額は、受け取った年金の収入金額から公的年金控除額を差し引いて計算します。
公的年金の所得金額=公的年金の収入額-公的年金控除額
公的年金控除額は、受給者の年齢が65歳未満か65歳以上、公的年金の収入金額に応じて決められています。
年齢65歳以上の者に対して上乗せられていた部分は廃止されましたが、65歳未満は70万円の最低控除額、年齢65歳以上の者は120万円の最低控除額があります。
公的年金等控除額は以下の式により算出されます。
公的年金等控除額
年齢 | 年金収入 | 公的年金等控除額 |
65歳以上 | 770万円< | 年金収入x5%+155.5万円 |
65歳以上 | 410万円<≦770万円 | 年金収入x15%+78.5万円 |
65歳以上 | 330万円<≦410万円 | 年金収入x25%+37.5万円 |
65歳以上 | ≦330万円 | 120万円 |
65歳未満 | 770万円< | 年金収入x5%+155.5万円 |
65歳未満 | 410万円<≦770万円 | 年金収入x15%+78.5万円 |
65歳未満 | 130万円<≦410万円 | 年金収入x25%+37.5万円 |
65歳未満 | ≦130万円 | 70万円 |
この場合の年齢の判定も12月31日における年齢となります。
2)私的年金の所得金額
受け取った年金の金額から必要経費にあたるものを差し引いて計算します。
私的年金の所得金額=受け取った年金の種類-必要経費
*必要経費=その年に支給される年金の額x保険料又は掛け金の総額÷年金の支払総額または支払総額の見込み額
有利な受け取り方の選択について
公的年金、私的年金ともに所得金額を計算し、それからいろんな控除をしたうえで税率をかけて徴収されます。
年金の区分は雑所得で総合課税となります、他の不動産所得などと通算した金額から控除分を引いて累進課税制度の税率で徴収されることになります。
公的年金は65歳未満なら108万円(38万円基礎控除+70万円最低控除額)、65歳以上なら158万円(38万円基礎控除+120万円最低控除額)を超える年金が支給される場合に所得税が源泉徴収されて支給されます。
すなわち、もらった時には概算で所得税が引かれていることになります。
配偶者控除や扶養控除、社会保険料控除、医療費控除などが考慮されていないため、実際の税金よりも多く徴収されていることが大半になります。
なので、公的年金等の支給額が400万円以下で、その他の所得の金額が20万円以下の場合には、原則として確定申告が不要になっているが、
実際は確定申告をしておいた方がいいでしょう。(個人差があります)
私的年金はなにも引かれずに手元に一旦入ります。
その時の受け取り方で税金の計算方法が違います。
毎年受け取る場合は
私的年金の所得金額=受け取った年金の種類-必要経費
*必要経費=その年に支給される年金の額x保険料又は掛け金の総額÷年金の支払総額または支払総額の見込み額
で計算されいろいろな控除をした上で(他の総合課税のものがあれば通算します)累進課税にて課税されますが。
確定申告が必要なければ税金を払うことにはなりません。
(総合課税すべて合算して20万円を超えれば確定申告をする必要があります)
一時金として全額もらう場合は
一時所得になりますから次の計算式になります。
私的年金の所得金額=(年金総額-年金の支払総額-50万円)x1/2
この金額にいろいろな控除をしてどっちが得になるか、それぞれで計算して有利な方を選んでください。
一時金の場合の50万円の控除は大きいですよ。
おそらく総額が800~900万円くらいでないと一時払いで確定申告する必要はないようにおもわれます。(総合課税分の総額が20万円を超えないと確定申告不要だから)
まとめ
年金には公的年金と私的年金があります。それぞれの所得金額の計算方式は違いますので、それぞれで対処しましょう。
公的年金は支払われるときに源泉徴収されている場合がありますから、確定申告するかどうかは個々の状況に合わせて考えてください。
(公的年金の場合、年金総額が400万円以下で、その他の所得の金額が20万円以下の場合には、原則として確定申告が不要になっている)
個人年金は一時払いの方が税金がかからないようにおもいますが、これも個々の事情によって考えてくださいね。
個人年金の運用益がいっぱいあるようでしたら年金形式で受け取ってもいいでしょうが、少なければ一時金が良いようです。
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