相続における宅地等の特例とは どこまで軽減されるの その詳細は
相続をする場合、宅地や事業用地などを相続することもあると思います。
親の宅地などは、思い入れがあり引き継ぎたいものですが、評価額のするものだと、税金がたくさんかかってきて払えないこともあるようです。
特に東京オリンピックの影響なんかで、土地とか建物などの評価額が急に高くなるとどうしていいか悩むでしょう。
相続における宅地等の特例とは、どこまで軽減されるの、その詳細について解説します。
Contents
相続における宅地等の特例とは
昔、東京の方で、先祖代々受け継いでいるビルを相続したときに、あまりの評価額の高さから相続税が払えないことになり、ビルを手放したとかいうニュースを見たことがあります。
地方ではこういうようなことは起こりにくいですが、都市圏では起こりうる話ですよね。
こういうようなことが起こらないように、相続税が軽減されるような制度が設けられることになりました。
小規模宅地等の軽減制度というものです。
亡くなった人(被相続人)が事業や居住の用に供していた宅地等を、そこで一緒に暮らしていた(生計を一にしている)被相続人の親族が引き続き居住または事業を継続した時は、これらの宅地等のうち一定の広さに対して一定の割合を減額して課税するようになったのです。
なお、相続開始前3年以内に贈与により取得した宅地等や相続時精算課税にかかる贈与により取得した宅地等については、この特例は適用されません。
こういうふうにしてもらうと、先祖から受け継いだものを手放さなくて済みます。
どこまで軽減されるの
その軽減のされかたがどの程度かですが。
平成22年4月より小規模宅地等の減額割合について大幅な見直しが行われてましたが、さらに、その上限面積が、平成26年12月まではその240m2までだったのが平成27年1月より330m2まで減額の対象になりました。
もちろん相続人等による居住または事業の継続についての要件が付加されての話なのですが。
その詳細について
その中身についてです。
以前は、相続人等が相続税の申告期限まで居住または事業を継続しない場合でも50%の減額措置があったのですが、平成22年4月より廃止されました。
1つの宅地等について共同相続があった場合には、取得した人ごとに適用案件を判定します。
一棟の建物敷地として使用していた宅地等のうちに特定居住用宅地等の要件に該当する部分とそれ以外の部分がある場合には、部分ごとに按分して減額割合を計算します。
特定居住用宅地等が複数存在する場合には、主として居住用に使用されていた1つの宅地等に限られます。
1)居住用の宅地等の場合には相続税の申告期限まで居住を継続すれば上限面積330平方メートルまで80%減額で課税する。
2)事業用の宅地等の場合には相続税の申告期限まで事業を継続すれば上限面積400平方メートルまで80%減額で課税する。
3)事業用の宅地等の場合で相続税の申告期限まで貸付事業として継続すれば上限面積200平方メートルまで50%減額で課税する。
*貸付事業とは、「不動産貸付業」、「駐車場業」、「自転車駐車場業」及び事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行う「準事業」をいいます。
居住用と貸付用がある場合の小規模宅地等で、継続要件を満たした場合の減額割合は、居住用が80%、貸付用は50%減額で課税する。
以前は、居住も事業も継続していなくても50%減額の措置がありましたが、それが廃止されたということは、生活の一部であるという意味合いが色濃く織り込まれていると言えるでしょう。
まとめ
地価の高騰などの影響で、相続するのに多額のお金が必要になり、慣れ親しんだ住宅などを手に入れるのが重荷になるなんてことは避けたいですよね。
この特例によって、居住の継続、事業の継続が示されれば、相続する場合に重荷になることが軽減されました。
安心して、被相続人の財産を引き継げます。
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