非居住者の区分とは いつからでどう判定されるの 租税条約がある場合はどうなる?

 

 

個人が海外に移住する時や、会社からの辞令で仕事のために海外赴任する場合に、

 

日本の居住者になるか非居住者になるかによって、

 

課税がどこでされるか、どの範囲でされるかを決めることになります。

 

非居住者の区分とはいつからでどのように判定されるのか、租税条約がある場合どうなるかについて解説します。

 

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非居住者とは

 

属地主義をとなえる日本では、居住者は、日本国内に「住所」をもっていて、直近に引き続き1年以上「居所」を有する個人のことを言います。

 

なので、非居住者は、日本国内に「住所」をもたず、直近に引き続き1年以上、国内に「居所」がない個人のことなのです。

 

非居住者にいつからなるの?ということについては、

 

日本国外に出国してから365日経てば非居住者となりそうですが、実は、そんなに簡単ではないのです。

 

また、一部には出国して183日以上経てば非居住者になるんじゃないかとの話もありますが、それも間違いです。

 

なぜ、このようなことが言われているのかは、外国の中にこの日数滞在すれば居住者になると判断している国があるからだと推測されます。

 

実は日数も必要ですが、それが判断の中心ではないと言えます。

 

ここで、「住所」「居所」の概念が気になるところです。

 

「住所」は「個人の生活の本拠」のことを指します。

 

「居所」は「その人が居るところ」のことを指します。

 

つまりは、非居住者とは、わかりやすく言うと、生活の中心が日本に無い者と言えます。

 

 

例えば、独身者が会社の契約で1年以上あるいは未定の出向期間で日本から出国したら、出国した日の翌日から非居住者になります。

 

これは、生計を一にする者が日本におらず1年以上あるいは未定の期間(いつになるかわからない)国外に居所をうつし日本以外で働くことが明白であり。

 

生活の中心が明らかに外国にあるからです。

 

途中でその総出向期間がはっきりと1年未満に短縮されたら、その独身者は日本に入国した翌日から非居住者から居住者に戻ります。

 

ただ、最初の契約で出向期間が1年未満なら日本の居住者のままです。

 

この場合、途中で追加の契約で総出向期間が1年以上に延ばされたときは、追加の契約が決まった日から非居住者になります。

 

 

所得税法施行令14条では、

 

日本国内に住所を有する者と推定する要件について以下のように書かれています。

 

1.その者が日本国内において、継続して一年以上居住することを通常必要とする職業を有すること。(主に国内で働く)

 

2.その者が日本の国籍を有し、かつ、その者が国内において生計を一にする配偶者その他の親族を有することその他国内におけるその者の職業及び資産の有無などの状況に照らし、その者が国内において継続して一年以上居住するものと推測するに足りる事実があること。

 

職業と生計を一にする配偶者その他の親族、資産などがキーワードになりそうですね。

 

その判定の仕方について、詳しく調べてみました。

 

非居住者の判定について

 

非居住者としての判定では、明確な基準があるわけではなく、

 

住居・職業・資産の所在・親族の居住状況・国籍などの客観的事実により総合的に判断するとされています。

 

上記にも書きましたが、

 

*職業

 

*生計を一にする配偶者その他の親族

 

*資産

 

などがキーポイントです。

 

この3つでは「職業」が一番重要です。

 

それらのことから、どこが生活の中心になるかで総合的に判定されます。

 

日本の国籍が無くても、日本の居住者になる場合がある。

 

日本に国籍の無い外国人でも、日本に住所があったり、直近に引き続き1年以上日本に居所があれば居住者とみなされる可能性があります。

 

生活の中心がどこかが重要です。

 

ただ、居住者とみなされた外国人は永住者か非永住者かに分かれます。

 

この永住者と非永住者の線引きですが、日本国籍がないことは同じですが、日本に永住する意思がなく、過去10年以内に、日本国内に住所または居所があった期間が合計で5年以下の場合に非永住者になります。

 

余談ですが、永住者か非永住者かで、少し課税の仕方が違ってきます。

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永住者なら日本国内の所得でも海外の所得においても課税がなされますが、

 

非永住者なら、日本国内の所得と、海外の所得のうち日本に送金されたもの、に対して課税がされることになります。

 

日本に住民票が無くても日本の居住者になる場合がある。

 

日本に住民票が無いことが、非居住者の決定的な要件ではないということです。

 

1月1日時点で住民票が日本に無ければ、住民税の支払いの必要はなくなりますが、

 

住民票が無くても、日本で職を持ち働いている期間が直近に1年以上ある場合は日本の居住者になりえます。

 

また、生計を一にする配偶者などが日本にいたり資産のほとんどが日本にあるなど、どう考えても生活の中心地が日本とみなされれば、日本の居住者になりえるのです。

 

日本に仕事の事務所を所有していても日本の非居住者になる場合がある。

 

海外でコンサルティング業務をしているコンサルタントが、国内にも事務所を構えていても、ほとんどの業務を海外で行っていたら日本の非居住者になった判例があります。

 

仕事の主体が海外にあることがポイントです。

 

もちろん他の要件も総合的に判断できるものならですが。

 

日本で居住する住居があっても日本の非居住者になる場合がある。

 

海外の賃貸物件を2年契約で借りていたりすると、長期の契約であることで日本の非居住者になったりすることもある。

 

他の要件も充分である必要がありますが。

 

日本の居住日数が183日未満であっても日本の居住者になる場合がある。

 

1年は365日あります。

 

その半分は182.5日になりますから、183日以上いればそちらにたくさんいることになります。

 

それが183日という意味だと思います。

(ただ、PT(パーマネントトラベラー)などは3ヶ国以上を移動するので、どの国においても183日以下のことがありえます。)

 

滞在日数が多い方が、より居住していると判断されやすいですが、

 

注意しなければならないのは、ただ単に日数だけが多いのではダメだということです。

 

PTであっても生活の中心が日本にあると判定されれば日本の居住者になります。

 

外国人がビザを持っているかどうかは日本の居住者であるという判定には影響しない。

 

外国人がビザを取得して日本にいるからといって、居住者だと断定はできない。

 

原則として、就労ビザの発給を受けた人は、とりあえずは居住者と推定されるのですが、ただ、雇用契約期間が1年未満であることが明白な場合は、結果的に非居住者とされるようです。

(日本でワーキングホリデーで就労する場合は、期限が1年までなので「非居住者」と決まっています。)

 

日本人が長期ビザで海外に居住していても日本の非居住者と判定されない場合がある。

 

生計を一にする配偶者他の親族、日本国内の資産などの他の要件が充分でないとリタイアメントビザは非居住者に判定されにくい。

 

移住している国で職業を有していると証明できない可能性があるからです。

 

リタイアメントビザよりも就労ビザの方が非居住者に判定されやすいが実態が伴っていなければ判定されないこともあります。

 

租税条約について

 

いろいろと居住者と非居住者の判定について書いてきましたが、

 

2重課税を防ぐために設けられた「租税条約」というものが、居住判定に影響をもたらす場合があります。

{2重課税とは、外国と日本の両方で居住者と判定され(双方居住者と呼ばれます)どちらからも課税されることを言います}

 

どの国との間で判定するかで内容も違ってくるので、それぞれで対応の仕方を変えていかなければなりません。

 

各国間で協議された租税条約の内容しだいで、居住判定が違ってくることがあるので注意しておきましょう。

 

どの国に出国するかで、租税条約があるかどうか、あれば内容がわかりますから、

 

事前に調べて、ある場合は、

 

日本を出国する前に「租税条約に関する届出書」を提出するなどの手続きの必要があります。

 

出国する国との租税条約が明確に決められていた方が安心だと思います。

 

決められていなければ、どうなるかわかりませんし、手続きがさらに必要になるかもしれませんからね。

 

まとめ

 

非居住者の判定は簡単ではないです。

 

非居住者は、職務の内容や契約内容、資産が主にどこにあるか、生計を一にする配偶者やその他親族がどこにいるのか、それら全てのことを客観的にみて生活の中心がどこにあるのかで判定します。

 

日本に生活の中心が無いと判断されれば非居住者になります。

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